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血管内治療センター
概要
血管内治療センターは、カテーテルと呼ばれる細い管を主に血管の中に入れて管の先の部分を病変の場所に接近させ、医師が手元で操作する特殊な器具や薬剤をカテーテルを通して病変に到達させることで、診断や治療をする手技を管轄しています。狭くなった血管を拡げる、薬剤を病変部に集中的に到達させる、出血を止めるといった治療が主な対象になりますが、それ以外にも病変や異物を除去する、うまく機能しない部分を人工物で置き換えるといった様々な方法が含まれます。内視鏡治療と同様に、以前は外科手術で行われていた治療の一部がこのような方法で行われることにより患者さんへの負担が軽減し、入院期間が短縮されるあるいは入院が必要であった治療が外来で行われるといったメリットがあります。全身の多くの臓器が対象となるため、関わりのある診療科は画像診断科、循環器内科、心臓血管外科、神経内科、脳神経外科、移植外科、小児科、救命救急科など多数になり、業務に関連する職種も医師、看護師、診療放射線技師、臨床工学技士、医療材料担当部門、医事課事務部門など多岐にわたります。患者さんへの負担が軽減される一方でこの手技に特有のリスクもあり、医療安全担当部門も交えた多職種問での連携や情報の共有をはかるために、各科、各職種の代表者による月例の運営会議が開催され、安全で円滑な業務の遂行を目指しています。
ご挨拶
臨床医学における重要な目標の一つは、患者さんに優しく高度な治療を提供することです。薬物療法では副作用の少ない選択肢が、外科治療ではより低侵襲で安全な手法が求められています。このような流れの中で、体に大きな切開を加えずに病変部へ直接アプローチする治療法が急速に発展しており、当センターが実施する血管内治療もその一つに位置付けられます。血管内治療は、外科手術とは異なり、医師が病変部に直接手を触れることなく、放射線透視画像や三次元マッピングなどの高度な画像診断技術を駆使しながら、体外から専用の器具を操作して治療を行います。これには高度な技術と熟練した手技が求められますが、当センターでは各科の医師が日々研鑽を積み、より低侵襲で安全な治療を患者さんに提供できるよう努めております。
血管内治療センター長
栁下 敦彦